日本の大学は、どういう訳かIT分野の人材を育成することに力点を置こうとしない。その為に産業界の要請に応えられない現象が起きている。IT分野を目指す人は日本の大学に拘っていては道が閉ざされてしまうことに気づくべきだ。アメリカを目指せ!
ところで、皆さんは「博士課程修了者」と「博士号取得者」とは全く異なっていることを知っているだろうか?一般人にはどうでもよいことだが、前者は「標準修業年限内に博士論文を提出するに至らなかった者」を指す。この「呼称」は日本独自のものだ。
そして日本の大学の教員には「標準修業年限内に博士論文を提出するに至らなかった者」、要するにPh.Dの学位を取得していない者が「異常に」多い。文科省のデータが示す通り国内の大学全体では教員のPh.D保有率は学部で40%、大学院ですら55%、しかない。
欧米基準ではあり得ないようなことが日本ではまかり通っている結果、日本の大学は世界ランキングが低くなっているのである。
ランキングが高い大学はPh.Dの学位を持った教員の割合が高く、ランキングが低い大学はPh.Dの学位を持った教員の割合が少ない、言い換えれば「世界大学ランキングとPh.Dの学位を持った教員の割合は相関関係にある」と考えられる。勿論、Ph.Dの学位を持った教員の割合が高くても、論文数が少なかったり、書いた論文が全く引用されなければ世界ランキングは低くなる。
このことを検証しようにも日本の大学がデータをわかりやすく、一まとめで開示しようとしないため検証することができない。
何となく怪しげなことをしてお茶を濁している日本の大学に行くのはよしたほうがいい。今までは、ランキングが低い日本の大学を出ても日本企業が何とか採用してくれたけれど、2020年に風向きが変わってきた。
2025年ころには世界ランキングが400位にも入らないような大学の出身者には「グローバル展開している」企業は眼もくれなくなっているだろう。何故なら、日本政府も外国人採用を積極的に推進する姿勢であり、各企業も今までのような採用を続けていたら企業が存続できないかもしれないという恐れを抱くようになったからだ。
余談だが、日本では自治体や企業のIT化が遅々として進まないが、その原因は高度IT技術者を自前で抱えていないからだ。多くの企業はコンサルティング企業を通じて「外注化」してきたし、今でも、そうしている。挙句の果てが今の日本の体たらくだ。そのあたりを鋭く批判していたのが大澤昇平氏だ。東大は、こういう優秀な研究者を2020年1月15日に「懲戒解雇」する暴挙に及んだ。東大も「もはや、これまで」だ。
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