文科省が外部試験として認めているのは日本製の英検、TEAP(英検の高校3年生版)、GTEC(ベネッセ社製)と米国製TOEFL、TOEIC(主として日本人の社会人向け)、英国製IELTSとケンブリッジ英検。
日本の大学、特にトップレベル大学が採用すべきはTOEFLまたはIELTSだろうとは小学生でもわかる。特にTOEFLを採用するのが最善の戦略であることは、少しでも知恵のある大人ならすぐに判断できる。それができないとしたら何等かの「曇り」が頭の中、心の中、腹の中を駆け巡っているからだ。TOEFLは全米の大学が外国人応募者に必ず課す英語能力判定テストで母集団が多く、歴史もある。もちろんIELTSでも構わないが日本人の高校生が直接イギリスの大学には応募できない制度上の障壁がある限り、IELTSの必要性は極めて少ない。今後、日本人の海外名門大学進学を後押しする観点からはTOEFLを採用するのが一番妥当だ。
東大は2018年3月に外部試験を採用しないと表明したが4月27日一転して採用を表明、その後再び、7月12日に撤回してしまったが、東大内部の主として法学、英文学、仏文学が専門の教員によるクーデターだ。
理系教員は、おそらく苦々しく思っているに違いない。東大の理系学部は英語化に突き進んでいて学生が「大学レベルの授業を英語で受けて理解できるレベル」の英語力を備えていることを必要としている。従ってアメリカの名門大学が要求するTOEFLiBT100というレベルを東大受験生に求めるのは極めて合理的なのだ。
もし東大、京大がTOEFLiBT100を応募要件として、さらに一歩踏み込んでSAT(またはACT)を二次試験で採用したなら、日本人はアメリカのトップ大学にも抵抗なく応募できるようになる。