我々は先に古代中国の黄河河口域に位置する山東省・Linziの漢代ならびに春秋時代(紀元前771年から紀元前5世紀)(孔子が生きていたのは紀元前551年~ 紀元前479年)の遺跡から出土した古人骨のDNA分析に成功し、山東省・春秋時代人類集団は中国沿岸部から朝鮮半島および日本列島に現在住んでいる東アジアのモンゴロイド系人類集団の遺伝的構成とは大きく異なること、また、山東省・漢代人類集団の遺伝的構成は春秋時代人類集団と現在同地域に住居する現代漢民族集団との中間型を示す、との重大な結果を得ることに成功した。
植田 信太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科,助教授
黒崎 久仁彦 東京医科大学, 医学部, 助教授
斎藤 成也 (斉藤 成也) 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系教授
黒崎 久仁彦 東京医科大学, 医学部, 助教授
斎藤 成也 (斉藤 成也) 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系教授
「中国・山東省出土古人骨DNA分 析によって、現代ヨーロッパ人類集団と遺伝的に近縁な人類集団が今から2500年 前にはユーラシア大陸東端の黄河河口域に存在していたこと、2500~2000年 前の間に現在の東アジア系の人類集団が移住してきたこと、そして移住してきた現在 の東アジア系の人類集団に吸収される形で両集団の間で融合が起きていたことが示さ れた」