アメリカの大学留学、正確には4年制大学への進学、の情報に関して中学生、高校生の年齢では、何が本物で何が偽者か、という判断はつかないものです。もとはといえば、高校の進路指導の先生方がアメリカの大学について余りにも無知であるからです。それは一般的な高校に限ったことではなく、国内のIB認定校ですら、進路指導の先生は何も知らないのではないか、と疑いたくなるような例もあります。このような状況は2004年以降、全く変わっていません。そして、残念ながら、この先も変わらないでしょう。
問題は、その弊害です。
「本物の情報」を得られない日本の小中高生は東大、京大、阪大などの一流国立大学か、そうでなければ慶応、早稲田しか念頭に置かなくなります。そして、受験対策に自らを追い込んでゆく。その受験勉強は、しかし、少なくとも東大、京大の総長からは、無駄なこと、有害なこと、だと指弾されています。文部科学省、経団連すらも受験のための勉強は好ましいことではないと考えているようです。しかし、小中高生と、その親の耳には入りません。無我夢中で受験勉強に邁進している。
私は、2004年ころよりアメリカの大学進学に関して情報を発信し続けてきましたが、まるで砂漠に水をまくような感じです。芽が出てくる様子はありません。ましてや緑多き森が出現する気配もない。
このままでは日本の小中高生は、世界レベルのトップ大学に進む道を絶たれ、ガラパゴス化し、取り返しがつかないことになります。
取り返しがつかないこととは何か?
大学進学者年60万人のうちの90%強は「世界レベルでは二流以下、それどころか三流以下の大学」教育しか受けることができず、その結果、長期的に国民の知的レベルが徐々に劣化する、そしてやがて、二流、三流国家に転落する、ということです。
科学的根拠をあげることはできませんが、世の中を観察していると「社会が劣化している現象」は毎日のように目に飛び込んできます。
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悲しむべき現状
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