日本の本屋さんには英語の勉強の仕方関連の本が実に山のように積まれていて、これでもか、これでもかと次から次に著書が出版されています。そしてその多くが、おそらく90%以上が、英語の発音は気にするな、カタカナでよい、日本人特有の発音でかまわない、遠慮しないでしゃべりまくれ、という類の「暴論」です。
きちんとした英語の音声で英語を話す努力をしなければ恥をかくだけですし、相手に失礼であり、軽蔑されるだけです。
そういった本が取り上げている「発音は下手でも通じる英語を駆使している人」というのは、多くの場合ビジネスで成功した大物です。そういう大物の場合は、聞く相手が最初から敬意を持って聞いてくれるから通じるのであり、あるいは本当は通じていないかもしれないものの、通じたかのように相手が気遣ってくれているのだと思います。
そうではなくて、平凡なセールスマン、一介のどこにでもいるようなビジネスマンの場合は、あるいは学会で発表する博士課程の学生の場合は、発音がデタラメであれば致命的なほど、誰も相手にしてくれないでしょう。
言語の取得は、通常は耳からであり、目からではありません。言語の基本は音声です。この真理をないがしろにした「英語習得の方法」に耳を貸してはいけません。
しかし、日本にいながらにして英語の正しい音声を習得することは至難の業です、科学的方法で効率よく学習しなければなりません。
残念ながらアメリカ英語の音声を正しく学習するツールが、今のところ、見当たりません、一方イギリス英語の音声を学習する優れたツールはあります。British Councilのホームページに掲載されている、これです、
この発音記号を採用している
1)英英辞書を買いましょう。
2)オンラインの辞書を使って単語の発音を覚えましょう。
そうして英語を学習すれば1年で、あなたは英語が身につくはずです。
私の場合、イギリス人とはイギリス英語の発音で話すよう努力し、アメリカ人とはアメリカ英語の発音で話すよう努力しています。たいていの場合、私のようなオッサンでも、相手は敬意をもって接してくれます。しかし、それは「あまりにも他の日本人の英語がひどいから」という事情があるからでしょう。そう考えるとちょっと寂しい気がします。
企業の役員、幹部クラス、大学の先生、優秀な大学生、政府の役人が英語の音声をちょっと真剣に学習したなら、効果は絶大なはずです。しかし、誰も、そうしようとはしない。東大の教養課程の学生は、音声を学習していますが、自覚をもっているでしょうか?もし持っていないとしたら、日本の国家利益の観点からも、実にもったいないと思います。
発音無視は暴論
近畿大学や東海大学は早稲田並み
2015年度版のTimes Higher Educationの大学ランキングでは
慶応は501~600位
上智大学は601~800位
東海大学は601~800位
近畿大学は601~800位
早稲田は601~800位
だそうです。
日本の私立大学よりイギリスの大学に進学するのが正解
このブログはアメリカの大学の情報ブログですが、最近はイギリスの情報に傾斜しておりアメリカのほうはちょっとお休みしています。
つい最近公表されたTimes Higher Educationの世界ランキングで上位100位に入った日本の大学は東大(総合スコア71.1)、京大(総合スコア59.9)だけであり、私立大学の雄、慶応は501~600位早稲田は601~800位という寂しい状態です。
一方、Top100位に入っているイギリスの大学は16大学(うち3はスコットランド)です。
多くの日本人はオックスフォード、ケンブリッジしかしらないと思いますが、他にも多くのすぐれた大学があるということです。
日本の優れた能力の持ち主は、ためらうことなく「日本ではトップレベルだが世界では下位レベルでしかない日本の私立大学」より「日本ではまったく無名だが世界ではトップレベルの大学」に進学先を変更するべきです。
狙い目はなんといっても世界14位のUniversity College Londonです。世界ランキングでは東大(43位)、アメリカのUCLA(16位 総合スコア85.8)より上位です。この大学はFoundationコースを用意していますので、学力の高い高校生ならアメリカのトップ大学よりも「はるかに確実に」入ることができます。
幸いなことに日本語の募集要項があります。
2University of Oxford
86.594.498.998.873.194.2+
4University of Cambridge
88.291.596.797.055.092.8+
8Imperial College London
83.396.088.596.753.789.1+
14University College London
78.194.491.094.240.587.1+
23London School of Economics and Political Science
69.893.680.694.332.281.3+
24University of Edinburgh
68.689.877.296.336.180.3+
27King’s College London
64.593.875.893.840.178.2+
=56University of Manchester
58.487.066.077.342.068.1+
69University of Bristol
47.682.451.691.240.064.3+
70Durham University
47.986.451.987.734.463.6+
=76University of Glasgow
41.685.848.392.331.661.9+
80University of Warwick
47.490.353.178.237.761.3+
86University of St Andrews
49.792.347.378.830.660.4+
93University of Exeter
39.487.340.094.331.959.5+
97University of Sheffield
42.481.948.880.143.458.6+
98Queen Mary University of London
34.193.541.393.336.858.5
日本の私立大学より世界98位の英国Queen Mary University in London
アメリカのコミュニティーカレッジは時代遅れで効率が悪い!!!
日本人の多くの高校生が猫も杓子もアメリカの2年制Community Collegeに行きますが、イギリスであれば1年間で済むコースがあり、世界トップランクの大学に入れます。そもそもイギリスのUndergraduateは3年間ですからFoundation1年を加えても4年で済みます。
Queen Mary University of LondonはTimes Higher Educationno世界ランキング98位(総合スコア58.5:Teachingスコア34.1)で独自の1年間のFoundation Programがあります。授業料は年256万円です(1ポンド186円換算)。さらに1年間の生活費が同じくらいかかるかもしれません。
Foundation Programに入るには書類審査があります。
Foundationの授業はQueen Mary University of Londonの教員が担当します。
京大はランキング88位(総合スコア59.9)、阪大は251~300位、慶応501~600位、早稲田は601~800位です。
慶応、早稲田は2014年までは上位400あたりに何とか食いこんでいましたが2015年ランキングでは慶応501~600位、早稲田は601~800位で、特に早稲田の凋落ぶりは悲惨な印象を受けます。論文被引用スコアが55.5から一気に29.4に低下した結果です。さらにはResearchスコアが16.3から14.6に低下したことも影響しています。国際化、国際化と騒ぎ立てても、ランキング低下を食い止めることなどできはしないのです。
Foundationで成績が優秀であれば正式にQueen Mary University of Londonに入れます。
Foundationは文系、理系に分かれており、理系分野にはコンピューターサイエンス分野もあります。
◦Biological and Chemical Sciences
◦Electronic Engineering and Computer Science
◦Engineering and Materials Science
◦Environmental Science
◦Mathematics
◦Physics
大学から留学では遅すぎる
高校まで日本、それからアメリカの大学に進学するというのが実現可能な最善の方法だと思いますが、もし裕福なのであれば小学生からイギリスの全寮制の学校に入り高校まで過ごす、その後、イギリスまたはアメリカ、カナダの大学に進むというのが最善だと思います。やはり英語力の観点からは、そのほうが楽ではないでしょうか?その場合、外国語で果たして学力が確保でき、さらには抜きんでることが可能なのか?という疑問が残りますが、いくつかの例を見ていますと、そういう心配は杞憂のような気がします。いや、杞憂でしょう。もっとも一部特殊な場合は英語の音声を聞き取れない、発声できない、ということがあり得ますから注意するべきだと思います。英語との親和性の事前確認は必要です。
アメリカという選択肢もありますが、小学生、中学生の段階ではアメリカという環境は余りに厳しすぎると思います。
イギリスの全寮制の学校は最低でも年間500万円は費用がかかりますが、周囲を見渡すと、中学進学塾に年間100万円以上も使っているケースがありますから、イギリスの学費は安いものだと思います。中学受験で入る学校と言えば、大学受験しか念頭にない詰まらない学校で、イギリスの全寮制のような充実した教育、環境は望むべくもないのが実態です。なんで眼の色を変えてまで、そういう詰まらない学校に子供を入れたがるのか不思議でなりません。受験産業の宣伝で洗脳されちゃってるんでしょうね。
5~6月の季節の良い時に一度イギリスの全寮制の学校を訪問すれば眼が開くと思いますよ。ああ、なんで中学進学塾なんか行こうとしてたんだろう?って。一般レベルの所得の場合は日本の学校、大学しか選択肢がないですからしょうがありませんが、お金が潤沢におありなら、受験産業の宣伝に洗脳されたご自分の頭の中をリフレッシュされてはいかがでしょうか?中学受験なんか止めても大学には行けるんです。しかも世界ランキングが100位以内、200位以内の大学にだっていけるんです。
名門中高一貫校と謂えども、学力、能力は二極化するのが現実で、そういう学校に入ったら全員が東大にいくことができるのか、と言えば、決してそうではない。それこそ世界ランキングが500位、600位、それどころか世界ランキングなどお呼びじゃないような大学に入っているようなケースが「多い」。医学部、トップランクの大学進学ができるのは50%程度しかいない。大学受験が最終目的だったら、そんなんじゃ、中高6年間で何も得るものがなかった、ということになります。もっと他のこと、例えば身体を鍛る、人の為になるような技術を身につける、人の心を明るくできるような人間を目指す、などなどに心を砕けば人間として成長できるはずなのに。
ご近所には裕福なご家庭が何軒かあり、揃って中学受験に向けて家中で取り組んでいますが、可哀想だなあ、と眺めています。両親が、国内のことしか知らない、ために、そうならざるを得ないわけですが、子供は気の毒です。
慶応・早稲田よりイギリスのManchester
Times Higher Educationのランキングの評価項目でも特に重要な指標はTeaching,Researchの2つだと思います。この2つの指標を日英で比較しますと下記のようになります。
順位/ Teaching /Research
UCL 14/ 78.1 /91.0
東大 43/ 81.4/ 83.0
Manchester 56 /58.4 /66.0
Bristol 69 /47.6 /51.6
京大 88/ 70.6 /69.3
阪大 251~300 /46.8/ 45.2
東北大 251~300 /45.3 /42.3
慶応 501~600 /25.0 /17.5
早稲田 601~800/ 23.6/ 14.6
イギリスのマンチェスター大学は順位は56位で京大88位より順位は上ですが、2つの指標で比べると京大のほうが優れていることがわかります。マンチェスターと阪大、東北大とを比較しますとマンチェスターのほうが優れているようです。
問題は、では日本国内でマンチェスター大学がTimes Higher Educationの評価通りになっているのか?という点です。マンチェスターどころかランキング14位のUCLですら、どうなのか?という点です。多くの日本人は慶応、早稲田と聞くと名門大学と、即座に反応するでしょうが、ManchesterあるいはUCLと言っても「なんだ、それ?」という反応しかみせないと思います。
一般人なら、それでもかまいませんが企業採用担当者となると話は別です。せめて企業の採用担当者はTimes Higher Educationと同じ評価をするべきです。そうしないと人材獲得のグローバル競争で海外企業に負けてしまいます。
慶応、早稲田をこの2つの指標で見る限り、学力優秀な高校生が過剰な期待をもって進学先候補とするのは間違いだと考えます。
日本企業の特殊な就職環境下では、そうせざるを得ないのかもしれませんが、10年後、20年後を見据えたとするなら、University of Manchester
を選択するほうが正解です。あるいはBristolでもいいでしょう。あるいはDurham,Warwick,Exeter,Shefieldでもいいでしょう。もちろんUCLを選ぶのが正解であることは間違いありません。
2つの指標から判断すると慶応、早稲田という選択肢はこれらの大学と比べると最悪の選択と言えます。
日本人のオックスフォード合格者は3年間でわずか15名
Oxford大学のデータベースによれば2012~2014年の3年間で日本人は91名が応募し15名が合格したそうです。
中国人は2045人が応募し298人が合格。
インド人は910人が応募し49人が合格。
韓国は547人が応募し58人が合格。
タイは103人が応募し16人が合格。
http://public.tableau.com/views/UoO_UG_Admissons2/AcceptanceRate?%3AshowVizHome=no#2
11月ともなればアメリカは手遅れだがイギリスの名門UCLはまだ間に合う!
日本の大学はダメです。
文部科学省、大学関係者は大学改革はできず、入試改革もできません。
あと数年もすれば日本の大学は10大学程度を除き、壊滅状態になるでしょう。
かと言って、アメリカのCommunity Collegeという選択肢も最善の方法とは言えないことは明白です。
最善の方法はイギリスUCL!
Times Higher Education世界大学ランキング2015年度版で、日本の私立大学でランキングが最上位は慶応大学で501~600位です。同じランキングのアメリカの大学は例えばKansas State Universityという大学があります。US Newsの米国大学ランキングでは146位の優良な大学です。
イギリスで同じランキングの大学は例えばManchester Metropolitan Universityです。Gurdianの全英ランキングでは77位です。
これが客観的な慶応の評価です。
Kansas State UniversityもManchester Metropolitan Universityも立派な大学であり、それと同等という評価ですから、決して捨てたものではないと感じます。
しかし、日本国内では就職に有利という理由だけで、世間の評価がアカデミック面の評価以上に高くなっているというのが実情じゃないでしょうか。
従って、アカデミックの面で慶応以上に優れた大学に進学したいという高校生が選択肢に入れるとするならアメリカ、イギリスのアカデミックレベルの高い大学かつ「現実的」な大学を目標とするべきです。
イギリスの場合、それはUCLであり、University of Manchester、University of Bristol、Durham University,University of Warwick,University of Exeter、University of Shefieldです。アメリカの場合はUniversity of Minnesota、Pennsylvania State University、Ohio State University、Michigan State University、University of Maryland-College Park、Indiana Universityなどです。
学力優秀な高校生ならイギリスのUCLを第一候補とするべきというのが私の現在の気持ちです。1年間のFoundation Programの「入試」(できる限りロンドに行く必要がありそうですが詳細は申し込みしなければ不明です)に合格しなければなりませんし、そのFoundationで好成績をとらなければなりませんが、東大、京大、阪大、慶応、早稲田などの難関大学、学部を目指す人ならたぶん簡単にクリアできるはずです。馬鹿馬鹿しい予備校、塾の勉強などキッパリやめるべきです。
Final destinations
On average 50% of UPC graduates remain at UCL for their undergraduate degree each year; 30% progress to other leading UK universities including: Oxford, Cambridge, Imperial College London and the London School of Economics.
<応募要項から一部抜粋>
http://www.ucl.ac.uk/clie/preparatory-certificates/brochures/2016-upc-brochures/japanese
・2014/15 QS World University Rankingsトップ10では大学進学予備コースを実施する英国大学ではUCLのみです
• 英国大学の全てはUPCを入学資格として認めます
・本コースは人気が高く、競争率が高いため、早めにお申込みください。2016年入学申し込みは
2015年11月からできます。
申し込みはUCL Centre for Languages&International Educationで受付ています。
以下は志願に必要なものです:
• 記入済みのUPCの申込書
• 教員からの推薦状
• 高等学校の成績証明書(複写)
• 英語能力を証明するもの(IELTS)、「英語能力最低条件」の欄をご覧ください
書類選考後、UPC入学試験を行い、それに合格した 志願者に面接試験を行います。志願者は申込前にサンプルテストをご覧ください。(ウエッブサイト参照) www.ucl.ac.uk/upc
申込書と書類選考後、適した学生に UPCの入学試験についてご連絡いたします。
思い切った方法
イギリスの名門大学への入学を果たす方法としてUCLやUniversity of Warwickなどのトップ大学が提供するFoundation Courseに参加するのが無難だと思いますが、それらは高校を卒業してから入るものです。しかも1年間しかない。
日本の高校でグダグダとしていても、イギリスのトップレベルの大学に入学するのは至難の業だと思います。思い切って高校からイギリスに行ってしまう方法はないものか?しかし高校から外国人が入れるイギリスの私立全寮制高校はないと思います。ゼロではないのでしょうが通常は入れない。
イギリスには私立の6th.Form Collegeというものがあって、外国人学生が入れる学校があります。しかもAレベルで高得点を取る生徒をたくさん出しているところがあります。
例えばAshbourne Independent Sixth Form College。
こういう学校を調べていくと、日本の高校生がイギリスのトップレベルの大学進学のチャンスを如何に奪われているか?が次第次第に浮き彫りになってきます。
東大、京大などの日本のトップレベルの国立大学に入れるのであればいいのですが、実態は70%ものおおぜいの高校生が、実は世界ランキングのTop400にも入れないアカデミックレベルの評価が低い大学に、それこそすし詰め状態で押し込められているのが実態です。
それに甘んじるのですか?日本の学校教育、受検制度になじめず、成績が低迷し東大、京大に入れそうもない、しかし能力が高い人はいくらでもいます。そういう人の場合はこういう6th.Form Collegeに思い切って入ってしまうという方法を検討すべきでしょう。
何事にもリスクはありますが、日本の私立大学に進学するリスクほど大きいリスクはないと知るべきです。
現在の日本社会、日本の企業は、日本の私立大学を実態以上に高く評価していますが、それは日本人を採用せざるを得ないから、そう評価せざるを得ないのであって、グローバル企業の中には、中国をはじめ発展途上国のトップレベルの大学の学生の採用をジワジワと拡大し、そちらにシフトしているところもあるようです。
日本の大学生は1学年約60万人ですから、私立大学の学生は、そのうちの70%の約42万人です。4学年全部では実に168万人です。それだけの人数に対して、グローバル企業が「つらつら世界の大学を見回した時、世界の企業と熾烈な競争を強いられているわが社として、今後、アカデミックレベルの評価が低い大学に甘んじているあなたがたを採用するつもりはありません」などと公言するはずもありません。大学生は、その家族も含めて「顧客」でもあるわけですから。
最近の大学、文部科学省の迷走ぶりをみるとコリャあもうだめだ、と感じざるを得ません。2020年ころまでに国内の大学が改革できない場合、企業はそのシフト(中国をはじめ発展途上国のトップレベルの大学の学生の採用の拡大)を鮮明にせざるを得ないところまで追い込まれると思います。
国内では一流 but 世界では並み
中国の清華大学、北京大学と言えば中国ではとても手の届かない超一流大学と思いこまれている名門です。競争倍率は百倍を超えるそうです。しかしTimes Higher Eeducationの世界大学ランキングでは47位、42位に過ぎません。またインド工科大学(IIT)のひとつIndian Institute of Technology Bombayは競争倍率は中国の大学より酷く数百倍の異常値だそうです。しかし世界ランキングは351~400位に過ぎません。
日本の名門私立大学は競争倍率が高いが故に名門大学との評価が定着していますが、就職率、一流企業への就職の多寡、卒業生でトップ企業の役員になっている者の多寡、といった「世俗的」要素をまったく考慮しないTimes Higher Educationのランキングでは、私たち日本人の「常識」とは違った評価をされているのです。
その点を分かっていない日本のマスコミ、大学生、高校生、企業関係者が、Times Higher Educationの世界ランキングは一般の常識から外れている、と大騒ぎしていますが、ピントがずれているのでTimes Higher Educationからすれば、「クリティカル シンキングできない人って、駄目ねえ」と内心思っているでしょう。一方、文部科学省は、きちんと理解しているので、Times Higher Educationの世界ランキングを政策指標にしています。その点で文部科学省の姿勢は評価できます。
このランキングでは慶応はTimes Higher Educationの世界ランキングが501~600位、早稲田が601~800位となっています。この順位は「並み」ということです。
上記で述べたように、中国、インドの大学の評価が「世間の人気度」が反映されないために世界ランキングでは決して突出した順になっていないのと同様、日本社会の世間の人気度が反映されないので、順位がパッとしないのです。
日本の私立大学では教員一人当たりの学生数が30名、40名が当たり前ですが、「世界の名門大学」ではあり得ないことです。アメリカだと20名程度となると最悪で、名門ともなると7~10名、通常は15名前後です。またPh.Dではない教員の割合が20%も30%もあるという大学が「世界の名門大学」になることなどあり得ないことです。
世界ランキングを詳細にご覧になればわかると思いますが、500~800位というのは「その他おおぜい」「並み」という評価です。総合スコアは表示されませんが、ドングリの背比べ、の状態で、ほとんど差がないのです。
科学的バイリンガルになる方法
今から126年前の1889年、森 有礼は43歳という若さで国粋主義者に暗殺されましたが、もし暗殺されていなかったなら、日本の教育は英語化されていた可能性があります。
2015年現在でも、1889年当時と同じ課題を抱えている気がしてなりません。日本の教育、特に高等教育は英語化する必要に迫られていると思います。
脳科学では母国語(日本語)で使う脳の部位と外国語(英語)で使う部位は違うそうです。従って、子どもが両親と会話する場合は日本語ですべきで、それを外国語でやってしまうと脳が混線を起こす可能性が高いのではないでしょうか。英語を学習する場合は、親以外の英語を母国語とする者、例えばアメリカ人、イギリス人、に習うべきでしょう。
6歳以降、12歳以降でも、英語圏に留学すれば、あるいは学校の英語教育をまっとうなものにすれば、英語が話せるようになるのは確実なのですから、科学的根拠もなく幼少時に実験的冒険を敢えてすることは控えたほうがよいと思います。
私見では、International Phonetic Alphabetを習得する方法が最も科学的だと思っています。私自身、この方法で学習しましたが、多分、英語Nativeとのコミュニケーション能力は、結構いい線に到達できていると思います。私のような普通のオッサンでも、ある一定レベルに到達できるのですから、ましてや、まだ柔軟な頭の東大、京大、早稲田、慶応などのトップレベルの学生、灘、開成などのトップレベルの高校生、優秀なお母様方、お父様方などなどであれば、「誰でも」「確実に」英語が著しく向上するはずです。もっとも必要もないのに、無目的にやっても結果は出ないと思います。
この方法が一番向いているのは、学会発表に迫られている大学院生、研究者、大学教員、医師などの「専門家」あるいは政治家(安部首相など)だと思います。
そうは言っても米語の場合、優れた「ツール」がないので学習は困難かもしれません。一方、イギリス英語は優れたツールが簡単に入手できますので比較的簡単かもしれません。
これとオンライン辞書(Oxford)を活用すれば、間違いなく急速に英語力は伸びるはずです。
将来イギリスに留学する予定なら、このツールを活用すれば6カ月もあればイギリス風の発音が身に着くはずです。
一旦アメリカ風の発音が身についてしまうとイギリス式の発音に抵抗を感じてしまい、上記のツールを使う気になれないでしょう。ですので、留学する先に応じてツールを選ぶ必要はあると思います。
アメリカ式のツールは、これですが、対応するオンライン辞書をどれにすべきかが未だ不明です。
アインシュタインの逆オメガ 脳の進化から教育を考える/小泉 英明
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上記の著者は、脳の活動を実測する光トポグラフィの開発に携わった脳科学の第一人者です。
(上記紹介文から引用)
赤ちゃんは母親の胎内だけでなく、誕生後も、類人猿からヒトへの進化をなぞるように、約一年かけて発育する、と考えています。注目すべきは、指の発達です。二〇一三年、専門誌に掲載されたある論文が話題を呼びました。アインシュタインの脳の左手指の領野に、オメガ(Ω)を逆にした形の特徴的な発達が見られるとわかったのです。アインシュタインは幼いころからヴァイオリンに親しんだため、この領野が発達しました。類人猿からヒトへ進化する際にカギとなった手指の発達と、ヒトの知的創造性の間には、密接な関係があると著者は考えます。脳の進化から乳幼児期にふさわしい教育を考える、野心的試みです。
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乳幼児のための脳科学―DVDブック子どもたちは未来〈別巻〉/小泉 英明
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富裕層は中学受験をしないのが賢明な選択
ある関西のトップレベルの高校の直近の進学状況を見ますと、現役で東大+京大+医学部(国公立、私立)合格者は49%、その他国公立8%、浪人が33%、驚くことに10%が私立大学(医学部以外)に進学しています。現役の医学部進学者は20%に過ぎません。
日本の私立大学はTimes Higher Eduacatonの世界ランキングでは500~800位あたりで低迷している「その他おおぜい」に分類されてしまう大学です。国公立大学であってもランキング100位以内は東大と京大の2大学のみです。
結果的にはこの学校の生徒の50~80%の者にとって、わざわざ小学校のころから塾通いをし、無理な勉強をしてまで入学する学校ではなかったということでしょう。そもそも医学部に行くつもりが最初からないのであれば、何も日本の名門中学目指して中学受験準備などする必要などないではありませんか。それにもかかわらず首都圏、関西圏だけでも毎年8万人以上が中学受験をしているありさまです。すっかり受検産業に洗脳されてしまっているようです。
年間500~600万円の学費を9年間(小学校4~高校3年)払い続ける資力がある家庭の場合には、心身のバランスの良い成長が期待できるイギリスの私立全寮制の学校に小学生から留学するのが最善だと感じます。
イギリスの学校で学力が伸びればWinchester College,
Eton College,Sevenoaks,Kings School Canterbury,Harrow,Radley College,Rugby Schoolなどの名門Senior Schoolに進学ができます。そこからさらに世界トップ大学のOxford,Cambridge,Imperial College,University College LondonあるいはアメリカのHarvard,Yale,Princeton,Stanfordなどに進学できる可能性が大きく広がります。いずれも学費は年間600万円以上かかりますから一般の家庭には無理です。富裕層のみが実現できることです。
一見500~600万円は高いと感じると思いますが、日本の学校で必要となる授業料、塾代、学習参考書、各種習い事の費用、食事代(家庭の)などなどを計算すると年間250万円ほどかかっているんじゃないでしょうか。教育の質(環境、設備、教員の質)を考慮にいれるとイギリスは割安だと思います。
幼少期から英語を身につけさせる教育を希望しているのであれば、子供向け英語スクールに通わせたり、日本語を母国語とする親が自ら子どもに英語を教えたりというような中途半端はやめたほうがいいと思います。時間とお金の無駄です。いきなりイギリスの学校に「放り込む」べきでしょう。低学年であればあるほど順応する可能性が高いはずです。もちろんケースバイケースですから、イギリスの学校、英語になじまないという結果に終わる事だってあると思います。
時代は確実に「英語一強の時代」にむかって転がるように向かっています。10年後、20年後にはサイエンス分野は言うに及ばず、世界の主要マーケットは確実に英語100%の時代になっていることと思います。残念ながら国内の学校教育は、時代の要請に応えていません。
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フォニックスは綴りを学習する方法であって発音を学習する方法じゃない!
フォニックスが日本では発音を学ぶツールであるかのように持てはやされていますが実に奇妙なことですす。
元来、フォニックスは「アメリカ人の幼児向け」です。
そうなると、アメリカ人の子どもは英語の音声そのものは既に身についていますから、そのアメリカ人の子どもがフォニックスで「英語の音声を学習する」というのは、なんだかおかしくありませんか?
そうです、そもそもフォニックスとはつづりと音の規則性を学ぶ一つの方法なのです。
phonics→a method of teaching reading and spelling based upon the phonetic interpretation of ordinary spelling.
Associating sounds with letters of the alphabet is called phonics.
(音声とアルファベットの綴りを関連付けることをフォニックスと言います)
そのフォニックスを英語の発音が身についていない日本人の子どもが英語の音声を身につけるツールとして使うというのは、そもそも無理があるのです。
従って日本語の母音と子音の発声方法=舌、口蓋などの発声器官の使い方、しか知らない日本人に「今聞いた音声を言ってごらんなさい」と言うと「日本語風の音声=日本語の母音と子音」で発音してしまうでしょう。
英語を正しく発音するには英語の母音、子音の発声方法を身につけない限り、無理なのです。
アメリカで使われているフォニックスの教材を見ると母音の発音の仕方、子音の発音の仕方そのものは「既知」のものとしているのです。フォニックスでは、肝心要の「音素の習得方法」=「英語の母音、子音の発声方法」を学ぶことが欠落しているのです。
従って、フォニックスを学習しても、日本語の母音、子音の呪縛からは開放されないので、結局はいつまでたっても英語の音声は身につかない可能性が高いのです。
日本人に必要なことは下の動画のように英語の音素を学習することです。
イギリス英語ですが、英語の音声を学習する、こういうサイトもあります。
日本の小学校でフォニックスを採用する間違いにはやく気づき、音素教育に軌道修正しないなら、日本の英語教育は「失われた20年」を経験することになるでしょう。
母国語が日本語の日本人の親が幼児をバイリンガルにしようとして日本語の母音と子音で英語を「叩き込んだ」ならとんでもないことになります。分りやすい例がシンガポール人やインド人の英語です。
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フォニックスなどやっている場合じゃない!
先の記事で指摘した通り、日本人が学習すべきことは「英語の母音、子音の発声方法」です。phonicsじゃなくphoneticsです。
同じ英語でも英米では母音が微妙に違っていますから、イギリスに留学する場合はイギリス英語の母音の学習をする必要があります。
単母音が12もありますから、母音が5しかない日本人にとっては、非常に苦しい学習になります。
学習ツールはBritish Councilで紹介されている、このツールが最善だと思います。
アプリはApple store で無料で入手できます。
重要な点は、ここから先です。
英語の単語の発音を覚えるには、まず辞書で「発音記号」を調べて、その記号を覚えるのです。
訓練を積み重ねていくと、そのうちあなたの頭の中には「綴り」と「発音記号」が浮かび上がるようになります。
しかし、悲しいことに、日本人が一定の年齢以上に達してしまうと母音を正しく発音、することは、おそらく不可能なんじゃないかと思います。正しい英語の音声を身につけるには、骨格を変えるのは無理でも、少なくとも発声器官を操作する「筋肉」を、英語音声用に改造しなければならず、それが可能なのはおそらく15歳以下の年齢でイギリス、アメリカに何年間も留学した場合だけだろう、と思います
フォニックスをやっても英語の発音は身につかない!
読者のみなさんは日本語の母音は5つしかないけれど英語の母音(単母音)は10~12もあるという「真実」を知っていますか?それを知らずに、あるいは、それを習得してもいないのに、力づくでフォニックスをやる、というのは問題があります。
日本の多くの学校でフォニックスの導入が進んでいるようですが、そもそもフォニックスとは一体何なのでしょうか?
Wikipediaの定義によれば「ある(英語の)発音がどの(アルファベットの)文字群と結び付いているかを学び、知らない単語の正しい発音を組み立てる方法」と書いてあります。
フォニックスとは「英語の音声そのものは身に付いているが、単語の綴りを知らない、知らない単語を見ると発音できない英語ネイティブの幼児〔5~6歳)向け」なのです。
フォニックスとは「音声表記にたよらずに綴りを見ただけで発音を知ろうとする指導法」と断言する見解もあります→(以下、今仲 昌宏氏の論文より引用)
「フォニックスが成立したのは1948年で、母語としての英語音韻体系をすでにもつ子供が、発音と一致しない綴りを学習するという目的から開発された指導法であるためであろう。従って発音そのものについては学ぶ必要がない学習者を対象としているわけである。語の発音と乖離した綴りを符号させながら効率的に記憶してゆくというのがフォニックスの本来の目的であるが、覚えるべき規則が非常に多い。外国人学習者にとっては母語話者が前提としてもっている能力(音韻部門)を養成しながら、数多いフォニックスの規則をも記憶しなければならないなど負担が大変大きい。第二言語として中学校から学習を開始する者にとって、発音と綴りを一致させることはもちろん大切なのだが、外国語としての学習範囲全体のごく一部分を占めるにすぎず、優先すべき学習内容は他にも数多くある。学習者の記憶の負担を可能な限り少なくし、その上で発音の手がかりを視覚的にも簡単に得られるようにするという観点からいえば、音声表記を媒介させる方が効率が良いといえよう」
英語の母音や子音をどのように発音すればいいかを知らない日本人は発音そのものができないのですから、その日本人に「綴りを見ただけで発音を知る方法」を教えたところで、発音を習得できるはずがないのです。その点を理解していない人たちが「アメリカの子供がやっている」という宣伝文句に舞い上がり我も我もと飛びついているのが実態でしょう。
日本人の幼児に教えるべきは、先ずは英語の母音と子音の発声方法です。
フォニックスが駄目な理由の一例
あなたは”Global"をどのように発音しますか?
”グローバル”ですか?
しかし、それは間違いなのです。
"グロウブル”が近い発音ですが、それでもまだ違います。
カタカナ表記の”グロ”を日本人が発音するとグとロの間に母音の”ゥ”が入りこんできます。
しかし英語の”ɡl”のgとlの間にゥという母音を入れてはいけないのです。
またカタカナ表記の”ブル”のブとルの間には、やはり母音のゥが入りこみ、さらにルの後にも母音のゥが入り込んでしまうでしょう。
英語のblのbとlの間にはゥという母音を入れてはいけないし、lの後に母音のゥをつけてはいけないのです。
そうです、英語の音をカタカナで表記してはならないのです。
こういったことをフォニックスで理論的に教えていますか?
教えないでしょう。
そもそもフォニックスは、教えなくてもそれができる英語ネイティブのための「綴り予測法」、に過ぎないのですから。
では、英語の母音、子音の発声法を知らない日本人向けに、正しい英語の音声はどのようなものであるかを示すには、どのようにすればいいのでしょうか?
その答えがInternational Phonetic Alphabetです。
所謂、発音記号、です。
Globalの発音記号はˈɡloʊblです。
ɡの左上のˈはアクセント表示です。ˈɡloʊblは第一音節にアクセントがあります。
日本人がやらなければならないことは、この発音記号のひとつひとつをどのように発声するか、発音するか、を学習することです(アクセントの重要性も含めて)。
フォニックスではそんなことを一々やらない。それが致命的欠陥なのです。
フォニックスをやっている子供がthickという単語のつづりを見て得意げに「シック」と発音しているとしたら、singを「シング」と発音しているとしたら、そして、それを教える側が間違いだと教えてやらなかたったとしたら、それを見ている英語ネイティブにとっては喜劇であり、フォニックスを教えられている子供にとっては悲劇です。アメリカのフォニックス推進者は腰を抜かすでしょう。
発音記号を知らない日本人はGlobalをˈɡloʊblと正しく発音できないだけでなくRingをrɪŋと正しく発音できません。"リング”と発音するとグの後に母音のゥを入れてしまいます。しかしŋには母音ゥは含まれません。さらにはthikをθɪk と発音できません。日本語にθという子音がないからです。
米語の短母音がいくつあるかについては10,12など意見が分かれていますがOxford American English Dictionaryは短母音が下記の「10」だと明記しています。非常に分かりやすく辞書の単語も、これで表記されていますので日本人にはピッタリだと思います。
i ɪ ʊ u ə ɔ æ ʌ ɑ ɛ
一般の日本人はよほど訓練しないと ə ɔ æ ʌ ɑ ɛの音声を聞いても区別ができないと思いますし、ましてや発音できないと思います。
国内の学校、幼稚園などの関係者がフォニックスの致命的欠陥に一刻も早く気付きInternational Phonetic Alphabetの学習に切り替えるよう願ってやみません。
東大では既に新入生に、このInternational Phonetic Alphabetの学習を必須にしています。
英米カナダの大学留学と英語の発音の学習
日本人が小学生から英語をきちんと身につけさえすれば、何も日本の私立大学の文系学部など行かないかもしれませんが、普通の高校生の英語レベルは英米カナダの小学2~3年生レベルなんじゃないかと思います。それどころか英語のアウトプット能力は1歳くらいかもしれません。
その日本人高校生が意欲的にアメリカ、イギリス、カナダの世界ランキング100位以内の大学にチャレンジするようにするにはどうすればいいのか?
私見では英語の母音、子音を正しく発音できるようにすることがスタートだと考えます。
既に中学生だというのなら、中学生からでもいい。あるいは高校生だというなら高校生でもいい。とにかく英語の母音、子音を正しく発音できるようにするのが肝心だと思います。
それができさえすれば、ありとあらゆる音声教材が簡単に手に入る時代ですから、後は自力で、英語力を伸ばすことができるでしょう。高校の成績が上位10%以内程度の高い学力がある人ならTOEFL、SATは基本的には自力で2年も努力すれば高スコアを取れるはずです。
教材をどれにすればいいのいか?
米語の教材は、なかなか良いものがありません。今のところイリノイ大学が作ったこれが最善だと思います。Oxfordの母音とは違い単母音が15もあります。r化母音2つを除いても13です。
あれこれ迷っても時間の無駄なので、これで始めてみてください。3カ月もすればあなたの英語力は激変するでしょう。