ある著名な雑誌の2018年3月の記事に「東大を飛び越えハーバードやイエールを選ぶ開成・灘校生」という見出しで「その数字は確実に伸びている。2014年5人 2015年10人 2016年7人 2017年22人(中略)東京大学合格者1位を誇る開成高校からアメリカを中心とした海外トップ大学へ進学している生徒ののべ人数だ。17年はハーバード大、イエール大、コロンビア大学、UCLAに各1人、プリンストン大3人などのべ22人が合格した(うち、進学したのは7人)。2018年も10人弱が受験をした」と書かれている。が、開成の2014年~2017年に「ハーバードやイエールなどのアイビーリーグ」に進学した者に限って人数を見ると、大騒ぎするほどの人数ではない。
2013年 2名
2014年 1名
2015年 2名
2016年 0名
2017年 3名
2018年 2名(1名が重複合格している可能性あり)
「日本一」の開成の生徒でも「世界トップレベルの大学」の壁は越えられないのが実態なのだ。もう一方の灘のアイビーリーグ進学実績は2017年、2018年度のデータしか分からないが、やはり「世界トップレベルの大学」の壁は越えられないのが実態だ。
2017年 1名
2018年 0名
アメリカの大学への応募は極めて簡単であってTOEFL、SAT(or ACT)という2つの標準テストを受験し、TOEFLはIBT100、SATは1600満点で1400ほどをとれば合格できる。但し、高校の成績が悪いと合格できない。一般的には「学内順位が上位10%以内」が必要と言われている。これほど簡単なことなのに開成、灘の優秀な生徒が応募してもなかなか合格ができないというわけだ。
ハーバード(学部)の現在の日本人在籍者数は10名に過ぎない。日本人の「優秀な実力」がまったく反映されていない、と観るのか。それとも「日本人は、さほど優秀ではない」と観るのか、どちらが正しいのか?
中国 59名
韓国 32名
インド 22名
トルコ 16名
シンガポール 10名
香港 9名
ベトナム 6名
タイ 5名
これらの数字から考えると、ハーバード(学部)在籍の日本人は50名ほどであってもおかしくない。しかし、そうならないのは、日本の灘、開成などのトップ高校の生徒の実力は世界ランキング46位の東大に合格できる実力はあるが、それ以上ではないということなのだ。
しかし、そうなってしまうのは、それらの学校の生徒に力がないのではない。学校側に問題があるのだ。受験対策しかやっていない学校にいる限り、アイビーリーグに合格できる力なんかつかない。世界トップ大学に合格するためには、英米の優れた学校に進学する必要がある。そして「7~8歳からイギリスの小学校に入学する」という方法が最善だ。
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開成からのアイビーリーグ進学者数
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