戦後日本で偉くなった人たちの中にも、「敗戦利得者」が数多くいる。この勢力が、いかに日本の戦後の言論を歪めてきたことか。戦後、凱旋将軍のように戻ってきた彼らがやったのは、ことさら日本という国の暗い部分だけをあげつらうことだった。
上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第七章・第6回。
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シナや韓国などの「敗戦利得国」と同様に、戦後日本で偉くなった人たちの中にも、「敗戦利得者」が数多くいる。昭和20年(1945)8月15日の敗戦によって非常に得をした人たちである。この勢力が、いかに日本の戦後の言論を歪めてきたことか。たとえば憲法九条信者や護憲派が後生大事にしている日本国憲法(昭和22年〈1947〉5月3日施行)が、主権国家の憲法ではないことは、憲法学者なら誰もが知っている。日本は敗戦後にGHQの間接統治を受けていたから、日本国憲法はいわば間接統治基本法であり、それゆえ占領軍側の素人の集まりで一週間程度で草案ができあがったのである。日本の主権が回復するのはサンフランシスコ平和条約の調印(昭和26年〈1951〉9月8日)後であり、主権がないと憲法ができるわけがないことを、憲法学者が知らないはずはないのだ。
宮沢俊義 東大教授(憲法)
横田喜三郎 東大教授(最高裁判所長官)
滝川幸辰 京都帝国大学法学部教授
大内兵衛 東京帝国大学経済学部助教授
矢内原忠雄 東京帝国大学経済学部教授