優良な大学教育を受けるには、日本の大学だけに固執することを止めて、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏の「優良な大学」にも応募できるように準備することが必要です。
しかし、それらの国の大学はコストが高いので中流、下流層の家庭にはかなわぬ夢、幻であり、事実上富裕層の家庭にしか実現できないことです。中流、下流の一般家庭の子弟が血眼になって英語力を付ける努力をしていますが、もし、将来英米の世界トップレベルの大学を目指すためなら、ほぼ無駄な努力となります。
日本の富裕層の中には首都圏の私立大学は富裕層向けの優良大学であるという根強い「信仰」が定着していると思われます。しかしTimes Higher Educationの大学ランキングにランクインしているのは慶応、早稲田だけです。しかもし、その慶応、早稲田は500位にも入っていません。
イギリス、カナダ、オーストラリアの大学はさておき、アメリカの世界ランキングTop100以内の大学に入るには、高校3年でTOEFLiBT100は必須ですし、SATで高得点が取れることがミニマム合格要件です。しかし、日本の一般の学校教育の洗礼を受けた高校生は、おいそれとは達成できないでしょう。
さて、Times Higher Educationの世界大学ランキングが、妥当なものである、という前提で主要国の状況を比較しますと、日本は人口に応じただけの「優良な大学」が大幅に不足していることが鮮明にわかります。
人口100万人あたりの世界ランキングTop800以内に入る大学数は日本はわずか0.32に過ぎません。アメリカは0.46、イギリスは1.24、オーストラリアに至っては1.35です。日本は(主要国の中の)底辺国に位置しているロシア、中国、インドに近い状態です。
人口百万人あたりの「Top800大学」数
オーストラリア1.35
スイス1.25
イギリス1.24
オランダ1.18
デンマーク1.07
ベルギー0.81
カナダ0.71
イタリア0.56
韓国0.49
アメリカ0.46
ドイツ0.45
フランス0.42
日本0.32
ロシア0.11
中国0.03
インド0.01
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日本の大学の現状
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