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日本人は古来より外国語の音声に悩まされてきた

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平安時代には、桓武天皇(かんむ・てんのう、737-806)が、それまでの古い「吳音」を排斥して当時遣唐使がもたらした最新の中国音である「漢音」を用いて漢籍を読むことを奨励したようです。

 

1700年ころ江戸時代の漢籍を学ぶ者にとって漢字をどう発音するかは大きな悩みであったようで「反切法」というもので発音を暗記したそうです。「反切法」は英語で言えば発音記号のようなもの。なかでも荻生徂来(おぎゅう・そらい、1666-1728)は漢文訓読法を排斥して、漢詩文は唐音(中国語音)で音読すべきだと主張していたとのことです。当時、全ての人が訓読みで学習していたのだとばかり思い込んでいましたが、そうではなかったようです。

 

幼児は母国語を最初は音声で習得し、その後文字を習得するのが順序。ところが日本人は英語を文字から学び、肝心の音声を「学ばない」。英語の発音記号を学ばずに英語を「でたらめ」に発音し、それで満足しているかぎり、英語を習得できないのは明らかです。

 

レコーディング機器などなかった江戸時代に中国語の発音を習得した荻生 徂徠は驚異的な聴覚を備えていたのでしょう。

 

中世も今も日本人は大帝国の影響を受け、言語の「音声」の課題に翻弄されていることになります。

 

1780年ころ本居 宣長は漢意(からごころ)を排してしやまとごころ復権するよう訴えました。私も同じ考えです。しかし、全世界的に英語化、IT化が進行する中で、日本人が「やまとごころ」を維持することは至難の業です。実際問題として古事記をすべて読みきった日本人は全国民の10%にも満たないでしょう。私も古事記を詳細に読んだことがありません。

 

科学分野、政治、経済分野では、やまとごころへのノスタルジーを棄て完全英語化するべきと思います。地球規模で進行する英語化、IT化にあがらうことは無駄なような気がします。


 

 



 

 


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